[監修]
浜松医科大学 内科学第一講座教授 杉本 健 先生

クローン病が起こるしくみ

クローン病の炎症は、免疫機能の異常が原因で、からだを外敵から守ってくれるサイトカインの一種であるIL-23が関わっているとされています。IL-23は、ヘルパーT17(Th17)細胞と呼ばれるリンパ球に作用し、腸管細胞のバリアを弱めたり、炎症を起こします。

クローン病が起こるしくみ(イメージ図)

クローン病が起こるしくみ(イメージ図)
  • IL-23:インターロイキン-23。サイトカイン(細胞間の情報伝達をする生体内物質)の一種。
  • サイトカイン:細胞同士の情報を伝達するタンパク質。免疫機能に大きく関わる。
  • TNF-α:腫瘍壊死因子-アルファ。サイトカインの一種で、炎症に関わる。
  • IL-17:インターロイキン-17。サイトカインの一種で、腸内の免疫のバランスに関わる。
  • IL-22:インターロイキン-22。サイトカインの一種で、腸内の免疫のバランスに関わる。

スキリージ®のはたらき

IL-23p19阻害薬であるスキリージ®は、IL-23のはたらきを抑え、炎症を引き起こすさまざまな物質を作らないようにして、クローン病の症状を改善することが期待されています。

スキリージ®のはたらき(イメージ図)

スキリージ®のはたらき(イメージ図)
  • Eftychi C, et al.:Immunity, 51(2):367-380.e4(2019)
  • Singh S, et al.:mAbs, 7(4):778-791(2015)
  • Patel M, et al.:Dermatol Ther, 2(1):16(2012)
  • Sofen H, et al.:J Allergy Clin Immunol, 133(4):1032-1040(2014)
  • Bell GM, et al.:Nat Rev Rheumatol, 7(9):507-516(2011)