[監修]
社会福祉法人聖母会聖母病院皮膚科部長 小林 里実 先生
質問: 掌蹠膿疱症は治りますか?
回答: 治療の効果は個人差がありますが、治療を続けることで、皮膚の症状が出ている範囲が減っていくことが期待されます。効果があわられるのに時間がかかることがありますが、医師と話し合って治療目標を決めると良いでしょう。治療中に歯痛や歯肉の腫れが生じた場合は、それが掌蹠膿疱症の原因の一つとなっている可能性もありますので、歯科治療も積極的に行いましょう。
また、自己判断で勝手に中止せず、必ず医師にご相談ください。治療を中止するとそれまで抑えられていた症状が再発する場合があります。中止を検討する場合は、メリットとデメリットについて医師とよく話し合うことが大切です。
質問: 生物学的製剤とは何ですか?
回答: バイオテクノロジーによって作られた比較的新しい医薬品です。化学的に合成されたものではなく、もともと生物が作りだしているタンパク質を応用して作られています。スキリージ®は、掌蹠膿疱症に深く関わり中心的な役割を果たしているIL-23というサイトカインの働きを抑える抗体で、皮膚症状の改善が期待できます。
質問: スキリージ®による治療の費用はどのぐらいですか?
回答: スキリージ®による治療にかかる負担額は、医療保険の自己負担割合などによって異なります。また多くの場合、「高額療養費制度」や「医療費控除」の対象となり、負担を軽減することができます。詳しくは『医療費助成制度について』をご覧ください。なお、『治療費シミュレーション』については、「年齢」、「所得(年収)」、「投与開始日」を入力することで自己負担額を簡単に見積ることができます。
質問: スキリージ®以外のお薬を飲んでも大丈夫ですか?
回答: 自分で判断せず、医師や薬剤師に相談しましょう。ほかの医療機関を受診した際は、必ずスキリージ®を使用していることを医師に伝えてください。薬局やドラッグストアでお薬を購入する際も、薬剤師に伝えましょう。
質問: 副作用が心配です。
回答: どんなお薬にも副作用はあります。比較的よく起こるかぜなどの感冒様症状は、日頃からうがいと手洗いを心がけ、体調管理に気をつけることで予防することができます。特に注意が必要な副作用に関しても、少しでも体調がおかしいなと思ったら、すぐに医師に相談するように心がけることで、安全に治療を続けることができます。
質問: 注射を打ってもらうために受診する日に体調が悪くなり、行けなくなってしまいました。どうすればよいのでしょうか?
回答: なるべく早く医師に連絡し、どのような症状で、いつ頃起こったのか、詳しく伝えましょう。医師の判断で、注射の日程を変更したり、もしくは、体調不良の原因がお薬による副作用であると考えられる場合には、スキリージ®による治療を中止する場合があります。
質問: 旅行に行くことはできますか?
回答: 問題ありません。ただし、スキリージ®による治療中は感染症にかかると通常より治りにくくなる可能性があるため、海外旅行の場合、特に衛生管理に注意し、感染症の予防として、手洗いをこまめにする、生水を飲まないなど、十分に気をつけましょう。また、渡航先によっては生ワクチンの接種が必要な場合がありますが、スキリージ®による治療中は接種することができませんので、旅行先など医師にご相談ください。注射予定日と旅行の日程についても医師と相談しましょう。